2003-10-26 (日) [長年日記]
■ [映画] ナチュラル・ボーン・キラーズ/オリバー・ストーン
原作はタランティーノだが、彼はオリバー・ストーンの解釈に不満を持っているということを、昨今のキル・ビルにおけるQTのインタビューを読んで分かった。「彼はあまりにも問題提起しすぎている」とのこと。
実はこれは、殺人鬼がヒーローになっちゃってるぜー!!なんだこれはー!!なぜかしらねーけどなんだかクールだぜー!!なぜなんだー!!興味あるぜー!!という話だったらしいのだが、オリバー・ストーンはそれに対して「それは犯罪者だけの問題ではなく社会の問題である」と勝手に答えを用意。そこから逆向きに作品を作り上げたようだ。
そのため、主役であるミッキー&マロリーの犯罪は常に非現実的に描かれ、象徴的であるのに対し、マスコミだの刑務所のシステムだの彼が「問題だ」としている部分は現実的に、前面に押し出すように描かれている。これをオリバー・ストーンの映像美と捉える節もあるようだが、それは違う。非現実的な映像をもって「比喩」とするのは、あまりにも稚拙だと思う。
これを見てぼくは『時計じかけのオレンジ』を思い出した。アレックスは悪だが、洗脳実験をする機関とどっちが悪いのか。似たような構図である。んがぁ、こっちのほうが遥かに示唆的であり、クール度が何倍も高い。まあ、オリバー・ストーンの過去の作品を見ると、こういう描き方しか出来ない人なんだなーしかたないなーとは思うけれど。
DVDには別バージョンのラストシーンが収録されている。2人を助け出してくれた人間が、逃亡中の車の中でミッキーを、そしてマロリーを射殺するというシーンだ。これがあったら、また違った評価になるかもしれない。
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